バターについて その2~フランスとバター~
2010年 01月 16日
「バターは多いほどいい」・・・とフライパンにバターのブロックをどんどん、と放り込んだ
ジュリーのこのセリフは印象的でした。
フランス料理では、バターはソースに欠かせないもの。バターで風味とうまみ、濃度をつけます。
主流は発酵バターですが、いくつか種類があります。
また、バターをつかった料理用語も豊富です。
* * * フランスのバター(Beurre ブール)の種類 * * *
★生バター:Beurre Cru (ブール・クリュー)
一切熱処理をしないバター。生乳の乳酸菌で発酵させ、酸味があります。
フランス料理にもっとも適しているとされるバターです。
(保存期間は約2週間!です。)
★発酵バター:Beurre Fermente (ブール・フェルメンテ)
牛乳を一度熱殺菌した後に、別の乳酸菌を加えて発酵させたもの。
乳牛の種類や乳酸菌の種類によって味が変わります。
☆発酵無塩バター:Beurre Sans Sel
一切塩を含まない発酵バター。これの対し、総量5%以下の塩を加えた「発酵薄塩バター」があり、
Beurre Demi-Sel (ブール・デミ・セル)と呼ばれています。
* * * バターを使った料理用語 * * *
★溶かしバター:Beurre Fondu (ブールフォンデュ)
バターソースの基本。バターをゆっくりと溶かして水分を除いたもの。
ソテーやローストなどに使います。
★澄ましバター:Beurre Clarifie (ブールクラリフィエ)
バターを湯銭で溶かして、上澄みだけをすくったもの。
たんぱく質や水分が下に沈殿して取り除かれるので、澄ましバターを使うと
焦げ付きにくく、きれいな焼き色に仕上がります。
※ うまみを残して焼きたいときには溶かしバターを使い、きれいな焼き色にしたいときには
澄ましバターと使い分けるとGood!
★ポマード状バター: Beurre en Pommade (ブールアンポマード)
ソースに混ぜるときに使う、室温において柔らかくしたバターのこと。
★焦がしバター:Beurre Noisette ブールノワゼット)
バター薄茶色くなるまで熱して、料理にかけるもの。魚のムニエルなどに使われます。
最近では健康志向のブームも手伝って、フランス料理でもバターを軽減する傾向があるようです。
以前、フランス料理のソースは、小麦粉とバターで作られていました。
現在では素材そのものの味を中心に味わう傾向があるため、バターは風味付けとしての
役割が大きくなりました。
ロブションのメニューなどでは、ふわふわと泡立ったソースが目を引きます。
これは薄い出汁にバターを入れ、攪拌して泡立たせ、舌触りまで軽くした
Beurre Emulsionne (ブールエミュリエージョン)という手法で、もっとも新しい
バターソースのかたちといわれています。